Track List
01. 序
02. Depth Break
03. 未明の海の底から
04. 硝子球の中のセカイ
05. アヤカシといふもの
06. 名前のない花
07. 遠い真昼
電撃文庫「ダブルブリッド」イメージアルバム
序
Compose/Arrange: 大嶋啓之
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
(※公式歌詞は発表されていません)
Depth Break
Compose/Arrange: 大嶋啓之
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
耳の底を打つ風の音色は
密やかにざわめいて
―――――― コトバなき聲
頬をかすめる朱の匂いは
鈍く夜の静寂 染めてく
――――――― 深い夜に
心に幾度 繰り返した
感情は深く鎖ざされて
迷いは常に色彩を変える
そう 確かな正解など
きっと出せやしないから
言葉より思考より ただこの感覚だけ
痛みより傷痕より ただこの瞬間だけ
瞳に映る強い光は
視界に残像を残して
―――――― カタチなき影
指の先を刺す銀の刃は
研ぎ澄まされた歪な夢
――――――― 深い闇に
塗り潰された傷とともに
この身に深く刻まれた
不確かな証それさえも
この指を零れてゆくだけ
――意識の水底から
――記憶の薄闇から
――現実の薄明から
立ち上がる影を消して
言葉より思考より 今はこの鼓動だけ
痛みより傷口より ただこの瞬間だけ
未明の海の底から
Compose/Arrange: 流歌
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
まだ明けきらない浅い夜の色 蒼く
窓辺にもたれて 頬杖をついたまま
この部屋はまるで深い海の波底
置き去りにされて沈む水槽のよう
当たり前に 誰かがそこにいる
いつの間にかその場処が「空白」になること
気づかずいた
知らずにいた
それは やわらかな棘
色彩のない 独りきりの閉じられたセカイ
―― 水の底の 誰もいない
そのままで ただこのまま 今のままで
―― ただ変わらぬ 日常のままで
眠らぬ 夜は明ける
水面の月光へと伸ばした指は届かない
誰の手にも 触れはしない
―― 何も聴こえない
知らぬ間に 色彩を帯びてかすかに輝やく
―― 君がそこに ただいるだけ
痛むほど瞳を刺す 淡い光
―― 寄せて返す 揺れて惑う
色彩のないはずのセカイ 鎖されたセカイ
―― 君がそこに ただいるだけ
このままで ただこのまま 今のままで
―― 今日と同じ 明日のままで
思考は拡散えてゆく
波間に…
硝子球の中のセカイ
Compose/Arrange: 大嶋啓之
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
ふわり 胸に浮かんだ硝子球を
覗き込む 透明のその中
映る景色も空も人間も木もみんな
何もかも逆さま 自分さえ歪んでる
逆さまに映った 硝子玉の中のセカイには
この手で触れることは出来ないの
触れたなら冷たくて 硬い音たてるだけ
はらり 窓の隙間抜ける風がめくる
白い本のページ 退屈な活字たち
繰り返し書かれた「神様」なんていう文字の
存在も不在も 意味さえも判らない
見たこともない外国の 識めない言語みたい
何もかもが遠い
硝子でできた不可侵の殻の中
―― 自分の殻
閉ざされていたいの
誰も触れないで
―― 無温の聖城に
さびしさも 喜びも 麻痺して
―― 約束も
悲しみも 孤独さえ 遠いままで
―― アイなんて残酷なコトバも
だけど今そこにいて
ただそれだけで
―― 何も要らないから
逆さまに映った 心象の中に沈んだ
小さくて冷たい 罅割れた硝子球
触れたなら 指の先をただ傷つけるだけの
透明な硝子球に 滲む小さなカケラ
一雫落ちて
アヤカシといふもの
Compose/Arrange: Dani
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
(※公式歌詞は発表されていません)
名前のない花
Compose/Arrange: 流歌
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
―― それは 生と死の 物語
”戦って、逃げて、生きて、死ぬ旅路を往く覚悟”
思い出せるのはいつでも
苦すぎる後悔ばかり
繰り返し繰り返した過を
また幾度重ねながら
明日に目を閉じたまま
ただ手探りで歩き続けた
本当はいつだってずっと
そう 迷いの闇にいた
それでも今 かすかな光は
夜を照らし 標を灯した
過ぎていった全てのものを
取り戻せなくても
この手の中にまだ残ってるカケラはきっと
自分だけのものだから
迷わずに生命の涯へと進め
――――――――― 感覚より、刹那より
恐れは深く 脚は震えていても
―――― 思考すること 己が魂をかけて
この胸に描いた 光の軌跡を
――――――――――― 自分の生も死も
ただまっすぐに顔を上げて 見据えて
―――――――― 自分だけのものだから
時間は水の流れるように
留まることなく零れて
言い訳で濁し閉ざした日に
諦めを数えながら
望まない争いの中
傷つきながら でも気づいてた
本当はいつだってずっと
そう 誰かが傍にいた
色彩を結ぶ 確かな光は
胸を照らし 願いを灯した
取るに足りない愚かなユメと
誰が嗤うとも
この手の中に今握ってる思いはきっと
自分だけのものだから
泥の中躓き 終まで足掻け
痛みは深く 傷は血に汚れても
この胸に抱いた 祈りの軌跡と
ただまっすぐに 君を見上げながら
”自分の生と死は自分だけのものだから”
”恐れずに進め 振り返らずに 己の道を”
魂は 血肉に刻まれた証
この身はいつか 灰塵と消えるとしても
ただひとつ遺した 生命の軌跡は
足跡に咲いた 名前もない花
遠い真昼
Compose/Arrange: 流歌
Lyrics/Vocals: みとせのりこ
白く 霞むそらを透かす
まだ寒い春の淡い陽射しに
色づき始めた枝の先にほころぶ
咲き初める花のいろ
穏やかな午後の景色
君は振り向き 他愛なく手を振り微笑う
それはいつか視た夢
繊く 瞼の上注ぐ
木漏れ陽を紗す草の天蓋
かじかむ指先 抱いて浅くまどろむ
耳をかすめてる唄
やわらかな午睡のあと
やさしく揺れる 永久に続く遠い真昼