[VOI-006] 深水チエ – 花の涯

Track List
01. 跫音
02. ひとひら
03. マブタの奥
04. 空が落ちてくる
05. うそ
06. 鬼
07. 花の涯


跫音きょうおん
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水ふかみチエ

花 を 踏 む 音 が
私 を 追 い か け る


ひとひら
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水ふかみチエ

あのひとが
私わたしのために切きり出だした
胡床ごしょうと肘掛ひじかけ

眺ながめる先さきにはなにもない(なにもない?)
木々きぎの虚うろにはなにもない(なにがある?)

ひとひら
咲さいて
明あけ方がたの髪かみの上うえ

花はなの色いろ
盛さかりは近ちかく夢ゆめに遊あそぶ
宵闇よいやみ薄紅うすべに
退屈たいくつを
細ほそい紐ひもで縒よりあわせた
紅べに 櫛くし 簪かんざし
あのひとが
持もってくる
此方こなたまで

ひとひら
舞まえば
蕾つぼみを待まつ日々ひびの跡あと

あのひとが
私わたしのために切きりつけた
現うつし世よのすべて
さやけさは
枝えだに葉末はずえに土つちに沈しずむ
ささめごと少すこし 花はなに滴したたらす
慰なぐさみは
遠とおざかる
彼方かなたまで

なにもない(あるはずもない)
なにもない(なにかあるはず)
なにもない(芽め吹ぶくまほらば)
なにがある(虚空こくうのほとり)


マブタの奥おく
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水ふかみチエ

マブタの奥おくで眺ながめる
お伽とぎ噺ばなしは夜伽よとぎの代かわり

きれいなものでできてる
お人形にんぎょう遊あそびは無邪気むじゃきな盛さかり

「ねえ、ここからつれだして」

許ゆるされない恋こいでした
と、はじまるの
拗すねてだまして口くちづけて
も、やまないの
もっと、もっと、ね(ほしいの)
もっと、もっと、ね(頂戴ちょうだいよ)
火焔ほむらみたいに消きえるまで

あのこがほしいのよ
そうよ、このこはいらないわ

マブタの奥おくに隠かくれた
マセた子供こどもは愛あいされ上手じょうず

月つきのきれいな夜よるでした
と、つづけたの
追おって追おわれて抱だきしめて
も、たりないの
ずっと、ずっと、ね(笑わらうの)
ずっと、ずっと、ね(遊あそんでよ)
火焔ほむらみたいに絶たえるまで

許ゆるされない恋こいでした
と、はじまるの
閉とじたマブタに囁ささやいて
も、やまないの
もっと、もっと、ね(ほしいの)
もっと、もっと、ね(頂戴ちょうだいよ)
火焔ほむらみたいに爆はぜるまで


空そらが落おちてくる
Compose/Arrange/Lyrics: 深水ふかみチエ
Vocals: Annabel

飛とぶ鳥とりの
行ゆく先さきは知しらない
深ふかい青あおが
圧おし掛かかるように

空そらが落おちてくる

問といかける
奥底おくそこまでも行ゆけず
浅あさい夢ゆめを
繰くり返かえし雲くもをつかむ

鳥とりは地平ちへいを切きり裂さき
撃うち落おとそうとする
 直線ちょくせんの先さきで
 孤独こどくはまどろむ
  山やまと谷たにを渉わたり
  枝えだと枝えだを伝つたい
  昼ひると夜よるを巡めぐり
  春はると冬ふゆを迎むかえ
  そして眠ねむる

うつろう
うつろう
うつろう

花はなを割さく
結末けつまつは知しれない
薄うすい赤あかが
水みずに溶とけるように

春はるははろばろ弧こを描えがき
山やまの端はしに沈しずむ
 雪ゆきの狭間はざまから
 生うまれるように
  雲くもと雨あめを浴あびて
  月つきは満みちて欠かける
  昼ひると夜よるを巡めぐり
  春はると冬ふゆを迎むかえ
  そして眠ねむる

孤独こどくに満みちた
孤独こどくを食はんだ
孤独こどくに倦うんだ
孤独こどくを孕はらんだ

空そらが落おちてくる


うそ
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水ふかみチエ

うそばかり
いそいそ語かたる
鈴すずの声こえ

ゆれあるく
ひきずる足あしで
ゆきわたる道みち

いつまでも
運はこばれてくる
いくどめの春はる

そらしらず
すらすら滑すべる
ひとのいとなみ

おんなのいつわり
ひきずる足あしと
ひとつのまこと

うそばかり
いそいそ語かたる
鈴すずの声こえ


鬼おに
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水ふかみチエ

ささやく女おんなのいとしさが
裏うら返がえしたのは夜陰やいん
風かぜが嗤わらう

草くさを踏ふみ
谷たにも木きも鳥とりも雲くもまで
あの森もりまで
鬼おにが嗤わらう

数多あまたに匂におう
花弁かべんの雨あめ
あれは花はなのふさ
いつかの
過去かこを誘さそう
あまやかに舞まう
つもる つもる 降ふりつむ

振ふり返かえる背中せなかの空白くうはくに
閉とざされたのは視界しかい
花はなが嗤わらう

冷つめたい皮膚ひふと
からんだ髪かみ
これは鬼おにの爪つめ
いつかの
首くびを遊あそぶ
あまやかな指ゆび
さめる さめる 目め覚ざめる

数多あまたに匂におう
花弁かべんの雨あめ
あれは花はなのふさ
いまは
ここにひとり
しめやかに舞まう
つもる つもる 降ふりつむ


花はなの涯はて
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水ふかみチエ

夜よるが
肩かたに触ふれた

ひそひそと
ひそひそと

はりつめる
みたされる

ひそひそと
ひそひそと

花はなと虚空こくうに
溶とける

もうひとりではない
ひとりかもしれない

あのひとは

花はなの涯はて
かすむ
ただ
花はなのひとひら

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