Track List
01. 跫音
02. ひとひら
03. マブタの奥
04. 空が落ちてくる
05. うそ
06. 鬼
07. 花の涯
跫音
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水チエ
花 を 踏 む 音 が
私 を 追 い か け る
ひとひら
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水チエ
あのひとが
私のために切り出した
胡床と肘掛
眺める先にはなにもない(なにもない?)
木々の虚にはなにもない(なにがある?)
ひとひら
咲いて
明け方の髪の上
花の色
盛りは近く夢に遊ぶ
宵闇薄紅
退屈を
細い紐で縒りあわせた
紅 櫛 簪
あのひとが
持ってくる
此方まで
ひとひら
舞えば
蕾を待つ日々の跡
あのひとが
私のために切りつけた
現し世のすべて
さやけさは
枝に葉末に土に沈む
ささめごと少し 花に滴らす
慰みは
遠ざかる
彼方まで
なにもない(あるはずもない)
なにもない(なにかあるはず)
なにもない(芽吹くまほらば)
なにがある(虚空のほとり)
マブタの奥
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水チエ
マブタの奥で眺める
お伽噺は夜伽の代わり
きれいなものでできてる
お人形遊びは無邪気な盛り
「ねえ、ここからつれだして」
許されない恋でした
と、はじまるの
拗ねてだまして口づけて
も、やまないの
もっと、もっと、ね(ほしいの)
もっと、もっと、ね(頂戴よ)
火焔みたいに消えるまで
あのこがほしいのよ
そうよ、このこはいらないわ
マブタの奥に隠れた
マセた子供は愛され上手
月のきれいな夜でした
と、つづけたの
追って追われて抱きしめて
も、たりないの
ずっと、ずっと、ね(笑うの)
ずっと、ずっと、ね(遊んでよ)
火焔みたいに絶えるまで
許されない恋でした
と、はじまるの
閉じたマブタに囁いて
も、やまないの
もっと、もっと、ね(ほしいの)
もっと、もっと、ね(頂戴よ)
火焔みたいに爆ぜるまで
空が落ちてくる
Compose/Arrange/Lyrics: 深水チエ
Vocals: Annabel
飛ぶ鳥の
行く先は知らない
深い青が
圧し掛かるように
空が落ちてくる
問いかける
奥底までも行けず
浅い夢を
繰り返し雲をつかむ
鳥は地平を切り裂き
撃ち落とそうとする
直線の先で
孤独はまどろむ
山と谷を渉り
枝と枝を伝い
昼と夜を巡り
春と冬を迎え
そして眠る
うつろう
うつろう
うつろう
花を割く
結末は知れない
薄い赤が
水に溶けるように
春ははろばろ弧を描き
山の端に沈む
雪の狭間から
生まれるように
雲と雨を浴びて
月は満ちて欠ける
昼と夜を巡り
春と冬を迎え
そして眠る
孤独に満ちた
孤独を食んだ
孤独に倦んだ
孤独を孕んだ
空が落ちてくる
うそ
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水チエ
うそばかり
いそいそ語る
鈴の声
ゆれあるく
ひきずる足で
ゆきわたる道
いつまでも
運ばれてくる
いくどめの春
そらしらず
すらすら滑る
ひとのいとなみ
おんなのいつわり
ひきずる足と
ひとつのまこと
うそばかり
いそいそ語る
鈴の声
鬼
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水チエ
ささやく女のいとしさが
裏返したのは夜陰
風が嗤う
草を踏み
谷も木も鳥も雲まで
あの森まで
鬼が嗤う
数多に匂う
花弁の雨
あれは花のふさ
いつかの
過去を誘う
あまやかに舞う
つもる つもる 降りつむ
振り返る背中の空白に
閉ざされたのは視界
花が嗤う
冷たい皮膚と
からんだ髪
これは鬼の爪
いつかの
首を遊ぶ
あまやかな指
さめる さめる 目覚める
数多に匂う
花弁の雨
あれは花のふさ
いまは
ここにひとり
しめやかに舞う
つもる つもる 降りつむ
花の涯
Compose/Arrange/Lyrics/Vocals: 深水チエ
夜が
肩に触れた
ひそひそと
ひそひそと
はりつめる
みたされる
ひそひそと
ひそひそと
花と虚空に
溶ける
もうひとりではない
ひとりかもしれない
あのひとは
花の涯
かすむ
ただ
花のひとひら